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アバチュの金子さんのインタビューが見られなくなっていたので、アーカイブからサルベージしてみました。テキストのみ。
とりあえずシエロええ子…

金子一馬、DIGITAL DEVIL SAGAを語る

ダーク&スタイリッシュな作風で、独自の世界観を展開する『女神転生』シリーズ。その流れをくむ RPG『デジタル・デビル・サーガ~アバタール・チューナー~』(以下『DDS』)が、7月15日いよいよ発売となる。この作品のキーパーソンであるアトラス・金子一馬氏が、『DDS』を大いに語る!


『DDS』のテーマは人間の業=“喰らう”

――今までの『女神転生』シリーズではキャラクターデザイン、クリエイティブディレクションと多方面で活躍されている金子さんですが、『DDS』でご担当になったのは?
「今回の最大のポイントである“喰らう”といったシステム面も含め、プロジェクト立ち上げ時の初期プロット部分と、世界観の基本設定。これはビジュアルだけではなく……シナリオの雛型みたいなところですが、その後の具体的な部分は現在のスタッフに預け、最終的にはキャラクターデザインを担当しています」

――『DDS』は、人間の業(カルマ)や性(サガ)といった人間の残忍な部分が大きなテーマとなっているようですが、金子さんご自身は、そういったものに関してどのようにお考えになっていらっしゃいますか?
「業(カルマ)なんて言い方をすると大げさかもしれませんが、人間は、生きていくうえで何らかの生命エネルギーみたいなものを誰かから糧として得なきゃいけないんじゃないかと思うんですよ。例えば、ヴァンパイアは人の生き血を吸いますよね? 血を吸うことで生命の維持を行なっているわけです。
中世、ヴァンパイア伝説が生まれた当時は、生きている人の生者たるゆえんは、血液にあると考えられていました。これはやっぱり、“人から命を奪って自分は永らえていく”という考え方ですよね。よく考えてみると人間もまったく同じでしょう。朝の食卓に並ぶ魚を“喰らう”ということは、魚の命をいただいている。たんぱく質ばかりでは動脈硬化が恐いから野菜も食べないと、となると、今度は野菜という植物の生命エネルギーを摂取する。人間が食生活で行なっていることは、ヴァンパイアとまったく同じなんです。
何らかのものから、命を糧として摂らないと人間は生きられない。誰でも、生きる上ではそういうことをしなくちゃいけない。そういったことが今回、人間の業としての“喰らう”というキーワードに結びついたんです」


ハードなテーマをマイルドに?

――今お話に出たようなキーワードを具体的なプロットへと落とし込むときは、スタッフのみなさんとの間でどのようなやり取りが?
「まず、自分が考えた初期アイデアを、企画やシナリオ担当などに説明します。今お話した食事のこととか、身近な話を交えながら。そこから後は、彼らがつくり上げるものだですから、彼らなりの感覚ででき上がってくるのを楽しみに待っている感じですね。上がってきたものに関して言えば、僕がやるとすごくハードになっていたと思うけど、彼らなりの表現方法になっているので、多少ライトな雰囲気というか……マイルド路線になっているので、口当たりはいいと思いますよ」

――金子さんご自身が考えられていたプロットはもっと重かった?
「そうですね。正直、自分としてはもっとハードなほうが好きだけど、全部が自分の尺度ではいけないですからね。ハードなのはまた別の作品でやるとして、今回はスタッフがうまくマイルド路線にまとめてくれたと思います」

――これまでの『女神転生』シリーズでは、ほとんどが“神と悪魔の対立”をテーマにされていましたが、今回はそれとは違い、人間の本質に触れるものをテーマに選ばれたと感じます。これは、以前より金子さんが温めていたテーマなのでしょうか?
「ネタのストックとしてはいろいろ持っていて、そのつど考え方を変えていく……というか。やっぱり、同じシリーズでも毎回違う作品にしたいので、何らかの違いをもたせないと、プレイするほうも飽きてくるじゃないですか。そういう、飽きさせないためのネタとしては、以前からやりたいテーマで。やれるチャンスをうかがっていました(笑)」

――『女神転生』シリーズが、自分たち……人間の視点へと下りてきたような気がしますね?
「そうですね。僕もそれは感じています。若い頃のほうが大きいことを考えたがると言うか。たぶんまわりが見えてないんでしょうね(苦笑)。大きいことを考えることに憧れを持っていたのかもしれないけど、年齢を経てくると、身近なところにもっとすごいことがあるって気づくんですよね。
魚を食いながら、この魚も『ファインディング・ニモ』みたいな生活をしてたのかとか……思わないですけど(笑)。まあ、それが大人っぽい感覚なんでしょう。ただ、大人っぽくなっちゃうと丸くなってしまうというか……トンガったところも大事にしていかなきゃ、と思いますけどね」


テーマを反映したキャラクターメイク

――では、金子さんのメインワークとなったキャラクターデザインについてお聞きしたいと思います。先ほど、テーマのお話をしていただきましたが、そのテーマはキャラクターデザインそのものにも反映されているのでしょうか?
「そうですね。ゲームの設定上、基本的にキャラクターは敵を“喰う”ことになっていますが、いくらなんでも人の形のままで喰うわけにもいかないので、悪魔に変身してから喰うことにしようと考えました。なので、基本的に悪魔化したキャラクターたちは、口を目立つようにしていますね。あえて、強調されがちな “目”を一切排除しています」

――キャラクターの顔に現われる印と、彼らの個性も一致してますね?
「データの集合体というイメージですからね。名は体を表わすじゃないですが、“アートマ”(=悪魔に変身する力)を象徴しているんです」

――主人公サーフの仲間である「エンブリオン」のメンバーには、自然のエレメントが施されていますね。
「ゲーム性においてジャンケンみたいなルール、属性を使った特殊攻撃が必要になってくるので、それぞれに特性を持たせて、かつキャラに合った雰囲気と性格設定にもつなげています。情熱家は火炎系とかですね」

――ほかに、デザイン面で盛り込まれた特徴的なアイデアをいくつか教えていただけますか?
「この世界観の中には、文化というものがないので、カルマ教会から支給されているに過ぎないだろうと思われるトライブスーツを全員が着ています。これは、ツナギ風の制服のようなものなんですけど、実はバラバラに分解できるんですよ。
さらに、マントやバック、スカートなどのオプションパーツで構成されてます。だから基本は同じ制服なんですが、活動的なやつだったら上着を脱がしてみたりして、そのキャラクターの特徴に合わせて着こなしさせてますね。そういった感じで、キャラ分けを行なってます。……文化がないとか言ってるわりには、何かこだわってますけどね(笑)」

――シリーズとしては珍しく、主人公にサーフと始めから名前がついていますが?
「確かに名前は付いていますが、主人公に関しては従来どおり、あまり感情表現をさせない、個性をあまり出さないようにと考えて描きました。なぜそうしているかと言えば、自分がプレイしていて、(プレイヤーが)怒るべきではない場面なのにキャラクターが感情的になっているのは嫌なんですよ。だから、とりあえずムスッとさせてます、毎回。
みなさんが見たときに、“あの作品の主人公はコイツだね”とわかる程度の個性だけつけておいて、あとは無個性にするというやり方は、これまでと変わってません」

――この物語、主人公たちの抗争の中核に、歌声でサーフたちの悪魔化を抑制するという設定のセラという少女がキーパーソンとして存在しますが、彼女のキャラクター性はどのように?
「セラは裸で登場しますが、きっと、シエロあたりが彼女のイメージに合ったパーツを組んで着せてあげたんでしょうね(笑)。女の子キャラクターの中にベリーショートの子がいなかったので、そういうデザインにしています。でも、ポイントとなるのは、髪形よりも彼女がこの世界で唯一の黒髪、ってところなんですよ。
ストーリー的にいうと、デザイン段階で考えていた彼女のイメージと、シナリオが上がった段階での彼女のイメージはけっこう変わっていたかな。歌を歌っていたのにはビックリしたけど(笑)。いずれにしても、何らかの使命をもったキャラクターです。性格的には、プレイしている人によってじれったく感じるところがあるかもしれませんね」

――キャラクターと言えば、世界の絶対的権力である“カルマ教会”に関わる謎の存在として “エンジェル”という人物がいますが……。
「セラと関わりが強いというか……のちのちまでのキーパーソンであることは間違いないですね。デザイン的にも、カルマ教会側であることは一目瞭然。教会側もトライブスーツを着ていますけど、グレーを基調にした主人公たちと対極で、こっちは白をメインカラーにしています」

――金子さんのほかの、キャラクターデザインに関わるスタッフとの統一事項で注意されたことは?
「そうですね……テーマの説明から始まって、トライブスーツしか着せちゃいけないんだけど、トライブの特徴があるからそこを合わせて欲しいとか、悪魔に変身するキャラクターにはアートマというマークをつけることとか。大きな枠で指示していきました」


金子一馬デザインワークの秘密

――『DDS』に限らず、金子さんご自身が、デザインを手がけれられる上で重視していることは何ですか?
「ほかであまりなさそうなものを、まず考えていきます。ただし、その中で毎回テーマ性を決めるというルールが僕の中にあって、例えば『ペルソナ』(シリーズ)で言えば、メインテーマは“もうひとつの人格”であるわけだから、ペルソナは己が着飾っているイメージで、マスクとコスチュームといったデザインにしていたとか。
『DDS』では、テーマとして自分の本能(=喰らう)をフィーチャーしているので、動物的でかつなるべくシンプルであるように心がけました。
その“シンプルさ”というルールに沿うためには、常に“足していく”より“削ぎ落とす”ようなデザインを心がけています。強いやつを描こうとするときに、あとから角を足して、羽を足して、と考えるより、初期デザインの段階で最大限の要素を全部付加させておいて、そこからどんどんシェイプアップする方法を取ってます。それが……意外に大変なんですよ。だから、パッとインスピレーションでいいアイデアが浮かばないと、四苦八苦することも多いですね」

――最初から、“足す”のではなく“削ぎ落とす”スタイルだったんですか?
「いや、そうでもないですよ。やっぱりある程度やってきた上で、“かっこいいデザインって何だろう?”と突き詰めると、そうなっていったんですよね。
最初は、単純にまったくほかと違うものをやればいいや、と思うところから始まっていました。専門の勉強をしていたわけでもなかったんですけど、当時流行っていた同人系の絵がちょっと嫌で。武器でも鎧でもゴチャゴチャ付いていて、あんなの装備するのは大変じゃないかと(笑)。しかもまったく機能的じゃない。すごいヤツほどシンプルなものを持つと思うんですけど……世間は自分とは逆方向にいっていました。
それから徐々に、デザインとは何かを考えていき始めましたね。まあ、当時はまだ本能的に削ぐ作業をしていて、デザイン的に計算して足すだの削ぐだのという概念にはなっていなかったと思いますが。いろいろなものを見て、真面目にデザインについて勉強するようになって、僕も変わりましたね」

――金子さんのお考えが変化した決定的な時期は?
「どこかこの瞬間ということはなく、段階的にだとは思うんですけど、シナリオ的な部分にも参加させてもらうようになってから、積極的に仕事に入り込んでいきましたね。
『真・女神転生』を開発する頃には、全体を任されるようになっていたので、そこでかなり変わりました。次の『真・女神転生II』では、テーマ性みたいな部分も、自分なりに見えた気がしました。デザインワーク的には、当時はまだコンピュータで絵を描くこと自体が目新しいことだったので、自分のウリ、武器にしようという考えはありましたね」


金子一馬にとっての『女神転生』とは?

――今、金子さんとシリーズの関わりについてのお話がありましたが、今回の『DDS』は、『女神転生』シリーズの中で、どういった位置づけになるのでしょうか?
「本来の『女神転生』シリーズかというと、まったくの別物ですね。シリーズの原点である『DIGITAL DEVIL STORY』と同じ、『DDS』という“通り名”をタイトルにしていますが、自分としては、副題になっている『アバタール・チューナー』こそが、今回のお話のタイトルのつもりですし。だから、シリーズとは別筋として考えています。
本当の意味でシリーズ作品になっていると思うのは『真・女神転生』の『I』『II』『III』くらいまでで、『デビルサマナー』や『ペルソナ』も、それぞれの独立したシリーズです。ただし、それぞれのスピリッツが“メガテン”であることは間違いないですね」

――確かに、今回はおなじみの“悪魔合体”システムもなくなっていますし。
「以前、『真・女神転生』本編シリーズのシステムを考えていて、“自分が敵を喰う”という方法がいいのではないかと思ったときがあったんですよ。敵を取り込むことで強くなる。これも“合体”のひとつかな? と。いつかそれをやりたいと思っていたんですが、それが今回のテーマにつながったので、『DDS』のシステムとして使いました。だから、ファンのみなさんには合体がないことへの驚きがあるみたいですけど、合体の別バージョンと考えてもらえればいいんじゃないかな」

――先ほど「スピリッツが“メガテン”である」というお話がありましたが、金子さんにとって『女神転生』の定義とは何なのでしょうか?
「これが“メガテン”の定義であるかどうかはわかりませんが、大衆的なRPGが比較的ベビーフェイス的なものが多いですから、同じ土俵で勝負しても勝負にならないので、ベビーフェイスに対するヒール、が“メガテン”らしさではありますね。みなさんの印象もそうなんじゃないですかね?
言葉上“ヒール”と言いましたけど、要は“ダーク”です。ダークといっても文字どおり“暗い”というよりは、本音で語れる部分というか……詭弁じゃない本音を表すという意味で。いいところだけを見る・見せるのではなくて、その裏側にあるものを見る視点、とかね。“結論なんか出ないけど、こういう考え方もあるよね?”というのを、こちらから多く語ったり表現したりするのではなく、自発的にプレイヤーが考えられる余地を残しているところ。それが“メガテン”なんだと思います」

――その“ダーク”なものは、金子さんご自身の中に?
「そうですね。僕が抱えているものだと思います。逆にいえば、ベビーフェイスなものは感覚的につくれないかもしれませんね。子供の頃から大人っぽいことがしたかった。子供っぽいものは嫌いでした。自分と同じような感覚の人は絶対いると思うので、エゴでやっているだけじゃなくて、あえて尖がっているほうというか……“ロック”なほうを選んでいる節はありますね」

――では、そんな金子さんにとっての『女神転生』とは?
「そうですね。毎回いろいろ考えるべき身近なものとかを、オーバーライズして表現できるツール……かも知れませんね」
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