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「私は喉のカンジダと戦っていて、食生活を変えて違う薬を使わないといけなかった。それでこれはふっと思いついたような、笑ってしまうようなことなんだけど、一緒に生きることを学ばなければいけないような、新しい隣人が出来たみたい。もちろんこの真菌は全ての人間の体内にいて、排除するという意味じゃない。一緒に生きなければいけないようなものね」
―ビョーク

初めて《ヴァイラス》の曲を聞くと、恋人たちのゆったりとエレガントなワルツに聞こえるかも知れません。しかし、ビョークの歌詞は自然界の種と種の致命的な依存関係について表現しています。《ヴァイラス》アプリでは、ウイルスは破壊されるよりも速く増殖し、中心細胞を攻撃するのです。

ウイルスのライフサイクルの新しい段階ごとに曲の新しい部分が演奏されます。音楽と生物学的プロセスは一体化しており、歌詞が危険な魅力を歌う一方、増殖するガムレステ(ガムランとセレステの間の子の楽器)の音に攻撃され、ハングドラム(手で演奏する鋼鉄の彫刻)は正常な組織の役割を果たします。これは致命的な性質で危険なのです。



Nikki Dibbenによる楽曲分析
《ヴァイラス》では、ビョークは再発する喉の感染症――人体システムの正常な一部分ですが、増殖しすぎると感染症を引き起こすカンジダ――との関係性を捉えています。「共生」として知られる、植物と動物との親密で長期間にわたる関係の中で育つカンジダのような真菌。ビョークが表現するのはこの繋がりです。

ビョークの歌詞はよく知られた共生関係を表現しています。キノコと樹木、ウイルスと人間。このアプリで取り上げられているウイルスは、動物、植物、バクテリアに感染し、驚くほど豊富で地球上のあらゆる生態系に見られるものです。動物は細胞分裂によって複製を行いますが、ウイルスは自身のコピーを作るのに宿主細胞を必要とします。休眠していることもありますが、しばしば宿主細胞の死を招くこととなります。《ヴァイラス》アプリはこのライフサイクルのドラマにあなたを案内してくれるでしょう。

ビョークのウイルスへの致命的な着想は、ある生命体が他の犠牲によって利益を得る寄生的な共生も含んでいます。それはしばしば宿主を乗っ取ったり、宿主の行動を変えてしまいさえします。人間同士の愛との驚くべき類似です。例えばカタツムリに感染した寄生虫は、カタツムリの触角が幼虫に見えるように、触角を膨張させ幼虫のように振動させます。そしてカタツムリが通常行わない、日の出と共に葉の上に這い上がるという行動を引き起こすのです。これは寄生虫の卵を排泄する鳥に、その腸内で繁殖する幼虫を食べるよう鳥を惹きつけます。そしてその後、卵は寄生虫に感染することとなる別のカタツムリに食べられます。別の自然からの着想は、寄生真菌によるアリのコントロールです。この真菌はアリが森の地面を横切る時に付着し、アリの体内に化学物質を放出します。この化学物質は、アリが死ぬ場所の地面から一定の高さの葉にアリを固定させます。真菌は死んだアリの頭部から発芽し、胞子が地面に落下してまたサイクルが始まります。

この曲の、恐ろしい主題とロマンチックな響きの音楽の並列に耳を傾けてみましょう。ビョークの最新のソロ作よりも、彼女の以前のバンドのひとつ、シュガーキューブスの音楽により多く見られるアイロニーです。共生関係が全てよいわけではないという音楽的ヒントが、第4ヴァース直前の新しいキーへの突然の移行、荒々しい転調、歌詞の"you fail to resist"の部分での合唱の音程の湾曲の中に見られます。

「バイオフィリア」の他の曲のように、《ヴァイラス》でビョークは音と音楽構造をアイデアを表現するために用いています。例えばウイルスの増殖のアイデアを取り入れ、音楽生成プログラムを使って忙しないガムレステのアレンジで音の同等物を作り出しました。作曲のプロセスがひとりでに動き出すように、音楽素材上で動作するアルゴリズム(数学的相互作用のセット)として表される規則の反復がプログラムに組み込まれました。

ガムレステ、シンバル、ブラス、ハングドラム(指で打つ、青銅で出来たUFO型の物体)のように、銅を含んだ楽器が「バイオフィリア」のいたるところに見られます。そしてビョークが銅でカンジダが治ったことを発見した時、これは嬉しい偶然でした。音楽生成プログラムの使用は、「バイオフィリア」を貫く音楽と自然とテクノロジーというテーマを結びつけ、生物学的な、あるいはデジタル(コンピュータ)ウイルスの類似性を強調しているのです。
「音楽の構造を見れば自然の仕組みが分かる」ということで、この「ヴァイラス」なんかは特にそれが顕著だと思います。曲の最初では、ぼや~んとしたハングドラムの音しかしないのですが、すぐにキラキラしたガムレステの音が登場します。つまり正常な細胞のもとにウイルスがやってきて、増殖していくわけですね。アプリではウイルスの侵攻を防ぐことも出来ますが、そうすると曲が次に進みません。そのへんを頭に入れて曲を聞くとなかなか面白いです。
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